東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、衆院議員の柿沢未途元法務副大臣(52)=写真=側が木村弥生前区長(58)陣営のスタッフらに計数十万円の報酬を支払ったリストを作成していた疑いがあることが24日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部も把握しているとみられる。報酬は区長選の告示前の活動に支払われたとみられ、特捜部は区長選の運動員買収にあたる可能性もあるとみて慎重に調べているもようだ。
関係者によると、柿沢氏側は木村氏が区長選に立候補を表明した1月以降、区長選が投開票された4月までの間、10人前後のスタッフに計数十万円ほどの報酬を支払ったとするリストを作成した。
リストには街宣車に乗る車上運動員などが記載されていたが、木村氏の選挙運動費用収支報告書には記載されていないスタッフが含まれていたという。特捜部の調べに対し、木村氏はリストについて「知らない」などと説明している。
公選法では、選挙運動に従事したスタッフへの報酬は、一定額の報酬が定められた特定業務以外は運動員への買収として禁じられている一方、政治団体による一般的な政治活動に従事したスタッフへの報酬は禁じられていない。
木村氏陣営による告示日前の街宣活動などが一般的な政治活動ではなく、区長選のための活動とされれば、公選法が禁じる事前運動となり、報酬も違法な運動員買収にあたる可能性がある。
特捜部は柿沢氏側が複数の区議に現金を配布した買収の疑いでも調べている。