埼玉立てこもり、無期懲役を求刑 検察側「医師を逆恨み、発砲」

埼玉県ふじみ野市で2022年1月、在宅医療に携わる医師らが散弾銃で撃たれ死傷した立てこもり事件で、殺人や銃刀法違反などの罪に問われた渡辺宏被告(68)の公判が28日、さいたま地裁(小池健治裁判長)であった。検察側は「一方的に医師らを逆恨みし、ちゅうちょなく発砲した。極めて危険で無慈悲な犯行」として無期懲役を求刑。弁護側は懲役15年が相当と訴え、結審した。判決は12月12日。
検察側は、長年介護してきた母親が死亡したことで被告が医師らへの不満を爆発させたと指摘。自殺の道連れに医療従事者を一人でも多く殺害しようと、強固な殺意を持って周到に計画したと非難した。
一方、弁護側は、母親の心肺蘇生の要望を受け入れてもらえず衝動的に事件を起こしたと主張。殺意はなかったとして傷害致死罪の適用を求めた。
起訴状によると、被告は22年1月27日夜、医師の鈴木純一さん(当時44歳)ら医療関係者7人を自宅に呼び出し、前日に病死していた母親の心肺蘇生を要望。断られると散弾銃を発砲して鈴木さんを殺害し、理学療法士の40代男性に重傷を負わせるなどしたとしている。【成澤隼人】

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