読売テレビ「カミオト夜」制作の男性社員を1383万円不正請求で懲戒解雇 番組は年内で休止

読売テレビは28日、制作局に所属する40代男性管理職社員が、追加演出費などの名目で番組制作会社(A社)に約1383万円を不正に請求し、自らに現金で還流させていたとして同日付で男性社員を懲戒解雇したと発表した。
男性社員は関西ローカルの音楽番組「カミオト夜」(金曜・深夜1時59分)を担当。今年7月に、同番組の経費が毎月の予算を大きく上回る状態が続いており、経理局が精査したところ、同社員が番組を担当していた2020年4月から23年6月までの3年3か月の間、A社から「追加演出費」名目で多額の請求が続いていたことが分かった。
同局によると、社員は飲食した際の領収書を、関係が深かったA社に渡し、A社から「追加演出費」に上乗せして請求。一方で社員はA社から領収書の合計額と同額を現金で約877万円を受け取っていたことが判明した。さらに、20年7月から22年3月にかけて、「追加撮影費」などの名目でA社に約506万円を不正に請求。同局に支払わせていたことも明らかになった。
男性社員は読売テレビの調査に対し「新型コロナで飲食禁止になったが社外関係者との飲食が重なり、会社では精算に困りA社に相談した。会社で精算できない内容のものもあった」などと説明。「追加撮影費」については「次年度に必要になると予想される費用に将来補てんしてもらうため、前年度末で番組予算が余った分をA社に請求させ、必要な時に使うようにしてもらった」「自分が担当する別の番組の経費が含まれている」などと話したという。同社員は不正請求した全額合計約1383万円について、弁済する意思を示しているという。
読売テレビは制作局の当時の上司3人も減給、経理責任者らをけん責処分とした。また、大橋善光代表取締役社長、武野一起取締役が、月額報酬の10%(23年12月から1か月間)の役員報酬の一部自主返納を申し出た。
音楽番組「カミオト夜」については年内で休止することを発表。読売テレビは「社員がこのような不正行為を行い、関係者ならびに視聴者の皆様の信頼を裏切る結果となりましたことを、心から深くお詫びいたします。また引き続き、過去に同様の事例がなかったか調査を行うとともに、社内のチェック体制を強化し再発防止に努めてまいります」とコメントを発表した。

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