首相、特捜部の捜査着手後も会食やめず、連日飲食店へ 党務の「官邸持ち込み」に批判も

岸田文雄首相が、政治資金パーティー収入裏金問題での東京地検特捜部の捜査着手後も会食を重ねている。
周辺は「内閣の仕事と党務とのけじめをつけるため官邸外で行っている」(政府関係者)などと説明するが、21日には党青年局幹部を官邸に呼び党務である党内意見聴取を指示。「けじめ」を前面に出す一方で派閥問題など党務を官邸に持ち込む首相に対し、与野党から「整合性がとれず国民に理解されない」(自民の閣僚経験者)との批判が上がる。
首相は安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)の事務所に家宅捜索が入った19日の夜、開成高同窓の国会議員や官僚の会、地元広島県議との会食に出席。直近では21日夜に森山裕総務会長、22日昼には麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長と日本料理店で会食した。身内からも「打ち合わせなら官邸なり公邸を使えば済む。こんな折に飲食店を選ぶ理由が不明」(自民幹部)と戸惑いが漏れる。
首相の青年局への対応を巡り野党からは「官邸という公的機関を使った政党活動だ」(立憲民主党議員)との指摘も出ている。林芳正官房長官は22日の定例会見で青年局への指示についての感想を問われ「政府として党の対応について意見することは控える」と述べるにとどめた。官邸スタッフによると、長官は同日昼の麻生氏らとの会食に同席したという。

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