奈良県下北山村の国道で起きた土砂崩れで、奈良県の山下知事が25日午後1時すぎから会見を行っています。 (山下知事) 「本復旧工事に着手しようとした矢先に、上部から崩落した事態となってしまい、残念です。今の時点で、行方不明になっている方がいらっしゃいます。捜索活動には全力で取り組んでいきたいと思います」 23日午後9時前、下北山村の国道169号沿いの斜面が幅20~30mにわたって崩れ、車1台から男性(53)が救助されました。消防によりますと、現場にはほかに少なくとも車1台が埋まっているとみられていますが、斜面には崩れそうな土砂が残り、2次災害のおそれがあることから、救助活動を中断しています。 警察によりますと、釣りに行くためにこの道を通ったとみられる和歌山県に住む70代の男性と連絡が取れなくなっているということです。 この土砂崩れを受けて、奈良県の山下知事が25日午後1時から記者会見を行っています。 県によりますと、24日午後1時から斜面上部にある不安定な岩の塊の撤去作業を始めたということです。まず人の手で作業を始めて、その後機械による作業が可能かどうかを確認して、機械が設置でき次第、機械による作業を始めるということです。 今回土砂崩れがあった場所は今年5月に大雨の影響で崩落が起きたということです。その際には防護柵や土のうなどにより、応急処置を行い、片側通行として運用されていました。 こうした応急処置は大きな崩落が起きることを想定して建てた物ではなかったということです。 来年1月から本復旧の工事に着手する予定でしたが、今回の崩落により、新たな工事が必要になったということです。 また、崩落現場周辺ではトンネルを作る計画をしていて、来年度の予算に設計費を計上しようとしていたということです。 県では早急に有識者委員会を立ち上げ、原因究明や復旧工法等の検討を進めていくということです。復旧については工法が決定次第、速やかに工事の着手を行っていくとしています。