【解説】カラオケ店と住宅で女性死亡 男を逮捕 3人の関係性は? 元捜査一課長に聞く

26日、名古屋駅前のカラオケ店で20代の女性が刺殺され、25歳の男が逮捕されました。さらにカラオケ店から約2キロ離れた住宅で、男の同居人とみられる別の女性が死亡しているのが見つかりました。2つの事件に関連性はあるのか。元神奈川県警・捜査一課長の鳴海達之さんに話を聞きました。
藤井貴彦キャスター
「日中の時間帯、26日午前11時20分ごろの人が多く集まる名古屋駅前のカラオケ店で起きた事件です。曽我容疑者(25)が20代の女性を包丁で刺し、女性には包丁が刺さったままだったということですが、この状況から容疑者の計画性など、何か見えてくることはありますか」
元神奈川県警・捜査一課長 鳴海達之氏
「包丁というか、凶器を持って現場に行くっていうことは、殺害の計画性がそれでうかがえるということになります。ただ、カラオケの部屋もたくさんありますから、そこにどうやって迷わずに行ったのか、これは(女性との)関係性をみないとなんとも言えません」
藤井キャスター
「カラオケ店から約2キロ離れた住宅で曽我容疑者の同居人とみられる女性も亡くなっているのが見つかりました。この3人についてですが、曽我容疑者は26日、20代女性をカラオケ店で刺し、そして同居していたとみられる女性も死亡しているということです。この同居人については、『風呂場の浴槽に沈めて殺した』ということですが、この供述からどのようなことが見えてきますか」
元神奈川県警・捜査一課長 鳴海達之氏
「自宅の浴室で、水を張った状態で被害者を沈めて溺死させるようなことは最初から計画されていることですから、これについては最初から殺意があるんだろうなというふうに思います。ただ、犯行の時間帯がカラオケ店での犯行の前なのか、それともその前日、あるいは夜なのか、それはちょっと遺体の状況から見ないとわからないと思います」
藤井キャスター
「カラオケ店での事件、住宅での事件、どちらも女性が亡くなっています。2つの出来事の関連性はあるのでしょうか」
元神奈川県警・捜査一課長 鳴海達之氏
「今のところ3人の関係がどういうふうになっているのか、こちらの取材ではわかっておりませんので、その点の解明を待ったほうがいい気はします」
藤井キャスター
「今回、名古屋のカラオケ店での事件があった後に住宅の浴室で女性が死亡しているのが確認されたということで、時系列からいいますと、住宅の浴室で同居人の女性が亡くなって、その後、曽我容疑者がカラオケ店に移動したと考えるのが普通でしょうか」
元神奈川県警・捜査一課長 鳴海達之氏
「そうだと思います」
藤井キャスター
「そうなりますと、例えば、この浴槽に沈めて殺してしまったことで気が動転して、カラオケ店に包丁を持って出て行った、その場の犯行という考えはどうなんでしょうか」
元神奈川県警・捜査一課長 鳴海達之氏
「計画的にやるものですから、例えば同居人とトラブルがあって殺したのであれば、このカラオケ店までわざわざ2キロ移動していくということが考えにくいと思います。ここらへんはやはり何か関連性があって、どうしてもこの被害者の20代の女性の命を奪わないといけなかったという理由があるのではないかと思います」
藤井キャスター
「たまたま目の前にいた20代の女性が殺されてしまったという可能性も残っているでしょうか」
鳴海さん
「ゼロではないと思いますが、ワンフロアにだけあるわけではないカラオケ店の中で、わざわざ7階まで行って、部屋もそこにストレートに行くこと自体、何かしらの情報がないとそこには行けないわけですよね、普通」
藤井キャスター
「そうなると、この20代の女性を狙った点についてはどうなんでしょうか」
鳴海さん
「わたしはあると思います」
藤井キャスター
「一方でこの20代の女性がどこにいるかということを把握していなければ、7階のカラオケ店にはなかなか行けないと思うんですが、この点はどうでしょうか」
鳴海さん
「おっしゃるとおりだと思います。何かしらの情報があってそこに行くのか、あるいは事前に聞き出していたのか、そこらへんはちょっと判然とはしませんけど、いずれにしても居場所がわからない限り、そこに直接行けるという可能性は低いのかなというふうに思います」
藤井キャスター
「通り魔的な犯行というのは何%くらい残されているんでしょうか」
鳴海さん
「わたしは、個人的には限りなくゼロに近いんではないかと思います」
藤井キャスター
「ここまでは元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之さんとお伝えしました」

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