奈良県で23日夜に発生した土砂崩れで、土砂に埋まっているとみられる車の救出のため、遠隔操作で動かせる重機「ロッククライミングマシーン」が26日朝、土砂の撤去を始めました。
奈良県などによりますと23日午後9時ごろ、下北山村前鬼で国道沿いの斜面が高さ40メートル、幅30メートルほどにわたって崩落しました。
軽自動車が巻き込まれ、運転していた53歳の男性が救助されましたが、ほかに少なくとも1台が巻き込まれた可能性があり、土砂の中に埋まっているとみられています。
現場の斜面では亀裂も見つかっていて、二次災害が起きる可能性もあることから26日午前7時すぎ、県は無人で斜面の土砂撤去ができる「ロッククライミングマシーン」と呼ばれる重機を投入しました。
この重機を遠隔で操作して土砂の崩れそうな部分を取り除いていくということです。
「ロッククライミングマシーン」は斜面の上部にワイヤーの先端を固定し、それを重機に設置された機械で巻き取ることで、斜面を上下できる重機です。
奈良県によりますと、無人で遠隔操作が可能なことから、二次災害を避けるために災害現場など不安定な場所でよく使われていて、県内では2016年に五條市で起きた国道168号の土砂崩れで使用したということです。