岸田首相、与野党党首に協力要請=能登地震対応、予備費増額へ

与野党6党の党首が5日、国会内で会談した。岸田文雄首相(自民党総裁)は能登半島地震について「災害対応には与野党の立場に違いはない」と表明。2023年度予算から予備費を支出するとともに、24年度予算案に計上する予備費を増額する方針も伝え、理解と協力を求めた。
首相は「復旧復興まで息の長い対応をしていかなければならない。与野党が一致して震災対応に万全を期すと確認したい」と強調。財政面で「切れ目なく機動的な対応を行えるようにしたい」と述べ、24年度予算案の早期成立を要請した。
会談には首相と公明、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の各党党首が出席した。立民の泉健太代表が政府・与野党による協議会設置を提案したのに対し、首相は前向きな姿勢を示し、状況に応じて今後も党首会談を開く考えを明らかにした。共産党の志位和夫委員長は支援物資輸送の強化や緊急的な住宅確保を要望した。
予備費は23年度予算で4600億円超が残っており、政府は9日に第1弾として47億4000万円の支出を閣議決定する。一方、24年度予算案には5000億円を盛り込んでいるが、首相は会談に先立って首相官邸で鈴木俊一財務相と会い、今月召集の通常国会への提出前に増額するよう指示した。
会談で泉氏は第1弾の47.4億円について「支出が遅く小規模だ」と指摘。国民の玉木雄一郎代表は23年度第2次補正予算の編成検討を促した。
首相はこの後記者団に、予備費の支出総額が7000億円程度に上った16年熊本地震時の対応に触れ、「熊本を超える財政需要を想定している」と述べた。
首相は松村祥史防災担当相に対し、被災地以外にも避難先を準備するよう指示した。
政府は5日、首相をトップとする非常災害対策本部の会合を官邸で開いた。首相は孤立集落や安否不明者の確認を急ぐよう促し、「漏れのない救助活動をお願いしたい」と語った。生活となりわい支援のパッケージ策定も求めた。
[時事通信社]

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