自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、二階派(志帥会)の所属議員側が派閥に納めず手元にプールしたパーティー券の販売ノルマ超過分の総額が、2018年以降の5年間で約1億円に上るとみられることが11日、関係者への取材で分かった。会長の二階俊博元幹事長や事務総長経験者の平沢勝栄元復興相ら複数議員の事務所で行われていたという。二階派の政治資金収支報告書の不記載額は数億円とみられる。
東京地検特捜部に政治資金規正法違反の疑いで逮捕された安倍派(清和政策研究会)の衆院議員池田佳隆容疑者(57)=比例東海、自民除名=が、22年4月に取りやめが決まった販売ノルマ超過分の還流継続を強く求めていたことも判明した。
特捜部は26日に予定されている通常国会召集までに両派閥の会計責任者を立件する方向で検討。安倍派については派閥幹部との共謀が問えるかどうか慎重に判断する。
安倍派では、西村康稔前経済産業相が派閥内実務を取り仕切る事務総長だった22年4月、安倍元首相の意向を受け、還流の取りやめが決まったという。