獣医師免許がない状態で麻酔を使わず帝王切開をして犬を傷つけたなどとして、動物愛護法違反(殺傷、虐待)と狂犬病予防法違反に問われた長野県安曇野市の会社役員の男(62)の論告求刑公判が15日、長野地裁松本支部(永井健一裁判長)であり、検察側は懲役1年、罰金10万円を求刑し、結審した。判決は5月10日。
男は動物愛護法違反の虐待と、狂犬病予防法違反の起訴事実は認めながらも、帝王切開で犬を傷つけたとされる殺傷については否認している。検察側は「常習的に無麻酔の状態で帝王切開手術を行った。妊娠犬に強度の苦痛やストレスを与えることは明らかで、その態様は残虐で悪質」と指摘。弁護側は「犬の命を助ける正当な目的のもと、獣医師から学んだ方法で帝王切開を行った。みだりに傷つけていない」などと主張した。