「クソ!!地震め!!」「負けない心でのり越えよう」。石川県七尾市立石崎小学校の自主避難所に設置された段ボールの仕切りに、避難者らが自ら寄せ書きをして、心を奮い立たせている。
自主避難所となっている同小の体育館には20日現在、約50人が身を寄せ、段ボールで仕切られた区画やテントで寝泊まりしている。避難者は地震当初、体育館の舞台で毛布にくるまり夜を明かした。10日ごろには仕切りが届き、ある程度プライバシーは確保されたが、避難者たちはストレスで口論をしたり、「帰りたい」と泣く子どももいたりしたという。また新型コロナウイルスにかかる人も出てきた。
その状況を見て、自主避難所で責任者を務める住民で防災士の石崎悦子さん(68)が寄せ書きを発案。避難をしている子どもから大人まで、思い思いの気持ちを書きつづってきた。元日から避難している瀬戸三代(みのり)さん(68)は「負けるな石崎魂」と書き、「余震と断水が多くのことを阻んでいる。でも、何気ないことだが、書くことで心が解き放たれた」と言う。石崎さんは「ストレス発散にもなるし、笑顔が出て避難所の雰囲気が変わった」と話している。【大西岳彦】