文部科学省は22日、学校の健康診断を上半身裸のまま実施するケースがあることに懸念が寄せられているのを受け、健診時には児童・生徒の心情に配慮し、体操服を着せるなどの対応をするよう求める通知を全国の教育委員会などに出した。
異性の医師に裸を見せることに不安を覚える子供や保護者がいるため、検査や診察に支障のない範囲で体操服、下着、タオルで体を覆うなどの対応を促した。
また、プライバシーに配慮した健診について、男女別に実施▽囲いやカーテンの設置▽養護教諭を除き、児童・生徒と同性の教職員が立ち会う▽待機時は体操服やタオルなどで体を隠せるようにする――などの運用法を具体的に示した。
一方、文科省は「診察内容の必要性を保護者や子供に説明し、学校と医師、子供の間で共通認識を持つことが必要だ」と指摘。正確な診断には、必要に応じて医師が体操服や下着をめくって視触診したり、聴診器を入れたりする場合があることを子供や保護者に事前に説明することを求めた。
上半身裸での学校健診を巡っては、京都府長岡京市で2022年、小中学生の保護者らが健診時の下着の着用を求める署名を市教委に提出したことなどをきっかけに注目されるようになった。同市ではタオルで隠す対応がとられるようになったが、自治体や学校ごとに対応は分かれている。【深津誠】