能登半島地震の発生から22日で3週間となった。石川県内では同日、金沢方面と半島を結ぶJR七尾線(津幡―和倉温泉)が羽咋―七尾駅間で運転を再開し、七尾―金沢駅間が再びつながった。奥能登地域の各市町では、一部小中学校で授業を再開したほか、輪島市では保育園1か所で受け入れが始まるなど、被災地は日常を取り戻そうとしている。
七尾駅は22日朝、通勤・通学客で混雑した。七尾市内の高校3年生(18)は、ようやく登校できることになった。通学する津幡町の高校はすでに始業しており、「高校最後の3学期、友達とやっと会えるのでうれしいです」と笑顔で列車に乗り込んだ。
この日、大阪駅と七尾駅を結ぶ特急サンダーバードの運行も再開した。JR西日本などは、七尾線で残る七尾―和倉温泉駅間と、半島の海沿いを走るローカル線「のと鉄道」の七尾―能登中島駅間は2月中旬の復旧を目指すとしている。
ただ、和倉温泉駅までの鉄路が復旧しても、大小22の旅館が立ち並ぶ和倉温泉街の再開は難しい状況だ。和倉温泉旅館協同組合によると、入り口付近の敷石がめくれ、建物外壁が割れて鉄筋がむき出しになった旅館もあるといい、多くの宿泊施設で2月中旬までの営業再開の見通しは立っていないという。
県内では、始業が延期されていた学校のうち、5市町の公立小中学校計16校で授業を再開した。 珠洲 市では2校、能登町は全9校の小中学校が再開。同市は残る9校の授業は既に始まっており、これで両市町の休校は解消された。
市内全11か所の保育施設が休園していた輪島市では、朝市通り近くの「かわい保育園」(同市河井町)で一時預かりを再開し、家族に連れられた子どもたちが元気に登園した。
子ども2人を預けに来た同市の会社員(33)は「子どもを預けることができて助かる」と 安堵 していた。