群馬県高崎市の公園に設置された朝鮮人労働者の追悼碑について、群馬県が行政代執行で撤去する方針を固めました。県は今月19日、追悼碑を管理する市民団体に、今月29日から来月11日に撤去すると通知しています。
追悼碑をめぐっては、2022年、設置更新を認めないとする県の決定が最高裁で認められていて、県は、去年10月、追悼碑の撤去を求める戒告書を市民団体に通知しました。しかし、市民団体がこれに応じず、事態が膠着したことから、県は代執行に踏み切る方針を固めたということです。
市民団体はきょう、群馬県庁で記者会見を開き、「代執行は群馬県の行政史に汚点を残し、暴挙であると刻まれる」と県の対応を批判しました。一方、行政代執行への対応は検討中としています。
追悼碑は朝鮮人労働者を慰霊するためとして、2004年に高崎市の県立公園「群馬の森」に設置されました。
「政治的行事を行わない」との条件付きで県が10年間の設置許可を出していましたが、2012年に追悼碑の前で開かれた追悼行事で参加者から「強制連行の歴史を全国に訴えたい」などと発言があり、この発言が設置条件に反するとして、県は設置期間の更新を認めませんでした。
追悼碑を管理する市民団体は、この措置が不当だとして裁判を起こしましたが、最高裁は2022年に市民団体側の上告を退け、更新を認めない県の判断を「適法」とした二審判決が確定していました。