死刑判決も「無念晴れない」=犠牲アニメーターの夫―京アニ判決

京都アニメーション放火殺人事件で犠牲となったアニメーターの池田晶子(本名・寺脇晶子)さん=当時(44)=の夫(51)は、青葉真司被告(45)への死刑判決後に、京都市内で取材に応じた。「被害者の立場、思いに寄り添った判決だった」とする一方で、「判決を聞くだけではまだまだ晶子の無念は晴れないだろう」と複雑な心境を語った。
小学6年の長男に報告するため、被害者参加制度を利用して積極的に裁判に向き合ってきた。意見陳述では、青葉被告を前に「最も重い刑罰が科されることを望む」と主張。「やりきった」との思いがあったが、判決が近づくにつれ、「(死刑判決で)本当に晶子が浮かばれるのか」という不安が強まっていたという。
この日も、法廷内で判決を聞いた。主文が言い渡された瞬間、涙がこぼれたと明かし、「安堵(あんど)感とこれからの不安が同時にあった」と声を詰まらせながら振り返った。それでも、「支えてくれた方々のおかげで、今この瞬間を過ごせることを本当に感謝している」と頭を下げた。
死刑を告げられた青葉被告が、うなずく姿が印象的だったといい、「彼なりに判決に向き合って受け入れていたのかな」と指摘。「自分の犯したことをまずはかみしめてほしい。それができれば、今の彼なら反省や謝罪もおのずと考えてくれると思う」と語った。
[時事通信社]

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