スケボーの迷惑行為、東京五輪後に急増…新潟駅前では4月から条例で禁止

JR新潟駅(新潟市中央区)周辺でのスケートボーダーによる迷惑行為を取り締まるため、新潟市は、同駅前広場でのスケートボードを禁止行為として明記する改正条例を4月に施行する。スケボー人気が高まる中、急増する迷惑行為に対し、市は厳しい態度で対応することにした。
「ガラガラー、ゴツン」。同駅南口広場で昨年11月、午後11時過ぎにもかかわらず、若者10人以上がスケボーを滑走させ、地面とタイヤのこすれる音が鳴り響いた。通行人の近くを滑り抜け、ぶつかりそうになる場面もあった。
市は「広場の管理上支障がある行為」としてスケボーを禁止、看板を設置して注意を繰り返しているが、駅の壁やベンチには、タイヤの跡と思われる黒い傷が至る所に付いていた。
同駅周辺を管轄する新潟署によると、スケボーによる迷惑行為への通報は、昨年1~11月で1358件に上る。同署の中島陵地域官は「これだけ数が多いと、緊急性の高い事案に対処できなくなる可能性がある」と表情を曇らせる。
市中央区建設課によると、迷惑行為は、日本勢がスケボー競技で複数のメダルを獲得した2021年の東京五輪以降、急増した。交通の結節点となる同駅周辺には自然とスケートボーダーが集まるようになったという。
同区では昨年7月、県内最大級の県営スケートボード場「AIRMANスケートパーク(愛称・エアパーク)」がオープンしている。
ただ、専用施設の整備は迷惑行為の減少にはつながっていないようだ。同駅南口広場でスケボーをしていた男性(20)は「エアパークはお金がかかるし、遅くまで営業していない。交通の便も悪く、仲間と集まりづらい」と打ち明けた。
改正条例は先月22日の市議会で可決された。広場でのスケボーやローラースケートなどを禁止行為として明記し、広場でスケボーなどで遊んでいる人に対して退去も命じられる。
同区建設課の岡村直也課長補佐は「条例改正は、我々ができる精いっぱいの対応だ。スポーツとして人気が出ることは歓迎しているが、マナー違反には厳しい態度でのぞみたい」と話している。

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