世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から選挙支援の推薦状を受け取ったとされる盛山正仁文部科学相に対し週明けにも不信任決議案が提出される動きが浮上していることが8日、分かった。採決段階で自民党から大量の欠席者が出れば可決する可能性もあり、岸田文雄首相は厳しい判断を迫られそうだ。
与党の公明党内からも「教団解散の任を担う大臣として公平性を欠くのは明白で反対する大義がない」(同党議員)との声が上がっている。国民民主党が7日にガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除を巡る自公との協議からの離脱を決定。連立政権組み替えの可能性が消滅した直後だけに、自民が公明から否決への協力を得られるかは不透明な状態だ。
また、首相は旧統一教会との関係を巡り、経済再生相だった麻生派の山際大志郎氏(衆院18区)を更迭。派閥裏金事件では、閣僚など政務三役、党幹部の安倍派議員を更迭した。一方で盛山文科相、週刊誌の取材で旧統一教会との関係が明らかになった林芳正官房長官については「説明責任を果たすべきだ」などとして続投方針を崩していない。
盛山、林両氏はともに首相が会長を務めた岸田派出身。党内外から「身内に甘く対応に一貫性を欠く指導者には誰もついていかない」(麻生派の閣僚経験者)との批判が強まっている。安倍派議員からは「旧統一教会に近い大臣を信任すれば自分たちも追い詰められる」と文科相不信任案が出た際の採決欠席を示唆する声が上がっている。
不信任案提出などの主導権は野党第1党の立憲民主党が握るが、野党内では「文科相が任にあらずという指摘は与党内からも聞く。(不信任を)どの党が出そうが野党は一致結束して賛成する」(立民議員)と主戦論が高まっている。