「彼氏ができたという報告もできずに…」東名あおり運転、東京高裁も懲役18年判決 長女が語った“両親への思い”と“あおり運転の恐怖”

2017年、東名高速で夫婦が死亡したあおり運転事故で、東京高裁は被告に懲役18年を言い渡しました。「彼氏ができたという報告もできないままお別れした」。15歳で両親を亡くした長女がJNNのインタビューに応じ、胸の内を語りました。
萩山さん夫婦の長女「事故とか両親について思い出したくない気持ちと、両親を忘れたくない気持ちが混同している」
2017年6月、神奈川県の東名高速。萩山さん一家四人が乗っていたワゴン車は、石橋和歩被告(32)から執拗なあおり運転を受けて、追い越し車線に停車させられた末、後続のトラックに追突されました。
父親の萩山嘉久さん(当時45)と母親の友香さん(当時39)が命を落としました。
危険運転致死傷の罪などに問われている石橋被告は、かつて私たちの取材に…
石橋和歩被告「(Q.なぜ追いかけていった?)やっぱり言われたら、こっちもカチンとくるけん。人間やけん」
その後、石橋被告の裁判は異例の展開をたどりました。
2018年、横浜地裁は懲役18年を言い渡しましたが、その後、東京高裁が手続きに問題があったとして裁判のやり直しを命じたのです。やり直しの裁判でも横浜地裁は懲役18年とし、石橋被告側が控訴していました。
そしてきょう、東京高裁は…
東京高裁「主文、控訴を棄却する」
懲役18年を言い渡しました。
閉廷後、石橋被告は突然、裁判官に大声を上げました。
石橋和歩被告「俺が出るまで待っておけよ」
2017年の事故当時、車には15歳だった長女と11歳だった次女も乗っていましたが、奇跡的に助かりました。
萩山さん夫婦の長女「(お父さんは)自分のことより、家族とか私たちのことを考えてくれていて、(お母さんは)一番大切な身近な人でした」
いまは22歳になった長女。事故から6年半が過ぎても、あおり運転への恐怖は消えないままです。生活に必要なことから運転免許を取ったものの…
萩山さん夫婦の長女「前の車との車間距離をすごくとってしまうようになって、いつ前の車が止まってもいいように想像して、まだ恐怖は残っています」
長女が小さな頃から思い描いていた夢。それは「大人になったら両親を海外のディズニーランドに連れていってあげたい」というものでした。
萩山さん夫婦の長女「彼氏ができたという報告もできないままお別れしてしまったし、私が運転する車に乗せてあげることもあったのかな。結婚式で両親がいてくれたらすごく嬉しかった」
この春、大学を卒業し児童養護施設で働く予定です。
萩山さん夫婦の長女「親のいない子どもたちを支えたい。自分自身が弱い立場の時に、周りの大人に支えられたことが大きくて、私もそんな大人になりたい」
そして、あおり運転によって自分たちのように悲しい思いをする人が少しでも減るように。こう願っています。

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