小1死亡で“ウズラの卵”を給食から外す自治体も…誤嚥は「母乳」「菓子」「肉・魚」も多い

福岡県みやま市の小学校で、小学1年生の男子児童が給食をのどに詰まらせて死亡しました。原因とみられているのが、給食に入っていた「ウズラの卵」です。事故を防ぐためにどのような注意が必要なのか専門家に聞きました。
◆背中をさすっても吐き出せずに…
事故が起きたのは、26日午後0時半ごろ、福岡県みやま市にある小学校の給食の時間でした。みやま市教育委員会によりますと、給食を食べ始めた1年生の男子児童が、突如立ち上がって吐きそうな素振りを見せたため、担任が背中をさすったり叩いたりしました。しかし、口からは何も出ず、男子児童は力が抜けて自力で立てない状態になったということです。男子児童はドクターヘリで病院に運ばれましたが、死亡が確認されました。
みやま市教育委員会・待鳥博人教育長:
「安全・安心であるべき学校生活において、起きてはならない事故が起きてしまったことについて、深く反省し大変重く受け止めております」
◆低学年に“ウズラの卵”やめる自治体も
男子児童が詰まらせたのは、“みそおでん”に入っていた直径2センチほどのウズラの卵とみられています。みやま市教委は「危険な食材という認識はなく、栄養価が高いため、給食に使用していた」と説明しています。
福岡県・服部誠太郎知事「このような事故を踏まえ、教育委員会として改めて安全の確保についての通知を出すという報告を受けております」
県の教育委員会は27日、各自治体に対して、給食の安全確保に関して文書で通知。福岡市はよく噛んで早食いしないよう指導を呼びかけたほか、北九州市は小学校1年生から3年生までウズラの卵の提供をやめる方針です。
◆誤嚥で死亡は“母乳”が最も多い
消費者庁によると、2019年までの6年間で、食べ物を詰まらせるなどの誤嚥で死亡した14歳以下の子供は80人にのぼります。約9割が5歳以下ですが、6歳以上も7人亡くなっています。80人のうち原因が明らかになっている51人の内訳をみると、「母乳」が最も多く、次いでゼリーやドーナツあめなどの「菓子」、「肉・魚」となっています。国のガイドラインでは、ウズラの卵は、「園児などを対象に給食での使用を避ける食材」とされています。ただ、専門家は年齢で判断するべきではないと指摘しています。
大阪大学大学院人間科学研究科・岡真裕美特任研究員:
「6歳まではNG食材であって、例えば7歳と1日、2日になったから絶対食べても大丈夫というわけではありません。担任の先生や補助でついている先生が『これは危険な食べ物である』と認識してから、例えば『よく噛んで食べるように』とか、『食べることに集中しなさい』と指示を与えることが大事だと思います」
みやま市は、再発防止策としてウズラの卵をしばらく使用しないほか、食材の大きさを検討したり、児童たちに給食の食べ方を指導したりすることにしています。

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