札幌市北区のコンビニ店「セイコーマート北31条店」で25日、店員3人が殺傷された事件で、同区、無職宮西浩隆容疑者(43)(殺人未遂容疑で逮捕)が、3人を 執拗 に追い回していた状況が明らかになった。北海道警は26日、宮西容疑者を札幌地検に送検。取り調べに「3人に恨みはなかった」などと供述しており、道警は動機を慎重に調べている。
道警や店舗関係者によると、店内の防犯カメラに当時の状況が記録されており、宮西容疑者は、しばらく売り場を歩き回った後、レジカウンター内に入り男性店員(60)を襲っていた。
さらに陳列棚の近くで女性店員(58)を狙い、異変に気づき奥から出てきた大橋恵介さん(40)をバックヤードで刺すなどした。再び売り場の女性店員を追い回し、店外で男性店員と一緒にいたところを現行犯逮捕された。
現場では複数の刃物も見つかり、強い殺意と計画性がうかがえる。一方で「当初は取り調べ中に会話がかみ合わなくなる場面もあった」と道警幹部。今後、宮西容疑者の刑事責任能力も捜査の焦点になりそうだ。
セコマ関係者によると、死亡した大橋さんは同社の社員で、店舗の運営などを担うグループ会社に出向中。25日は大量の弁当の注文処理のサポートで、別の社員2人と早朝から作業にあたっていたという。
この関係者は顔をゆがめながら語った。「私もずっと前から知っています。非常に優秀な社員でした……」