伊豆諸島沖で今月3日、鹿児島のマグロ漁船が座礁して男性乗組員1人が亡くなりました。男性は荷物を動かそうと、ライフジャケットを着用せずに甲板に出ていたことがわかりました。座礁したのは、鹿児島県いちき串木野市の串木野市漁協に所属するマグロ漁船『第八福栄丸』です。第三管区海上保安本部によりますと、第八福栄丸は3日午後9時ごろ、伊豆諸島の神津島の沖合でエンジンなどが故障し、その後、座礁しました。船には日本人5人、インドネシア人20人のあわせて25人が乗り、宮城県気仙沼市の一等機関士・佐々木正一さん(67)が行方不明となっていましたが、その後、神津島の海岸で発見され、死亡が確認されました。残る24人はヘリコプターで救助されました。海保の聞き取りに対し、船長は「佐々木さんは荷物を動かそうと甲板に出た際、姿が見えなくなった」と話しているということです。佐々木さんはライフジャケットを着用していなかったということです。串木野市漁協によりますと、船は静岡の清水港を拠点にしていて、3日に出港し、マグロ漁のため南米方向に向かう途中でした。漁協には現在、遠洋マグロ漁船は11隻所属していますが、いずれも消費量の多い関東を拠点にしています。航行中に座礁しての死亡事故は、今回が初めてだということです。当時、現場の波の高さは最大4メートル、風は最大20メートルとしけていたということで、海保は船長に話を聞くなどして当時の状況などを調べています。