佐賀県鳥栖市で去年3月、両親を殺害したとして1審で懲役24年の判決を受けた当時19歳の長男の控訴審判決です。福岡高裁の松田俊哉裁判長は6日、長男の控訴を棄却しました。
1審判決によりますと、現在、20歳になった長男は九州大学の学生だった去年3月、佐賀県鳥栖市の実家で50代の父親の胸などをナイフで複数回刺し、止めようとした40代の母親も複数回刺して殺害しました。
幼少期からの父親からの虐待の影響を認定する一方、「父親にとどめを刺したあとに、 母親の救命措置を行わず、血のついたカーテンを外し、屋外の血痕を水で流すなど冷静に証拠隠滅を行っていて、 後悔や驚き、寄り添う気持ちは見られない」と指摘し「結果が極めて重大」として懲役28年の求刑に対し、懲役24年の判決を言い渡し、長男側が控訴していました。
当時19歳だった長男は「特定少年」にあたり、佐賀地検は起訴の際、実名を公表しましたが、遺族側の申し出を受け公判は匿名で行われました。