大阪「大学生ビル転落死」続報 “美人局”おびき出しの手口と緻密な計画…13歳の彼氏が主導

「ラブホテル代だけ持ってきて!」
当時13歳だった男子中学生は17歳の女性に成り済まし、ダイレクトメッセージを送信して男子大学生をおびき出していた。
大阪市中央区の雑居ビルで先月12日、滋賀県草津市の大学3年生、太田岳さん(22)がビルから転落死した事件。太田さんを脅したとして中学2年の少女(14)と中学3年の少年A(15)が今月7日までに大阪府警捜査1課に強盗致死容疑で逮捕され、中学2年の少年B(14)が児童相談所に通告されたが、中学生らの驚きの手口が徐々に分かってきた。
太田さんを誘い出したのは少女の彼氏B。17歳の女性「さき」を名乗ってSNSで太田さんとやりとりし、「会いたい」というメッセージを送っていた。SNSのアカウントにはネット上で拾った、少女とは別の見ず知らずの女性の顔写真や下着姿の写真が使われていた。
中学生3人は事前に集合して打ち合わせし、少女が1人で太田さんとコンビニで待ち合わせをした。少女は「ビルに住んでいる母親に呼ばれた」とウソをつき、太田さんを7階建ての雑居ビルに誘導。エレベーターで6階まで上がると、「ちょっとここで待っといて」と言い残し、先回りしていた2人と4階で合流。3人で6階と7階の踊り場に向かい、太田さんを脅して金を取ろうとした。
そして、3人に囲まれ、太田さんは逃げ場を失う。そこで7階に上がり、隣接する4階建てのビルの屋上に飛び移った。慌てた3人はビルの下で待ち伏せするため地上まで下りたが、太田さんは逃げようとしてビルから転落。頭から大量の血を流し、動かなくなっていた。
「母親うんぬんというのはあくまで口実で、最初から大学生が逃げられないところに追い詰めるつもりだった。中学生らは事前に人目につかない場所を探していたようです。雑居ビルのエレベーターは6階までしか行かず、7階は物置と屋上になっていた。大学生が3人から逃げるためには、隣のビルに飛び移るしかなかった」(捜査事情通)
その後の調べに対し、Bは「女子生徒と事前にお金を取る話をし、別の男子生徒に当日、(計画を)話すと賛成してくれた」と供述。「複数のアカウントを使い、常に複数の人とやりとりをしていた。これまでに数回金を取ることに成功した」と話しているという。Bが計画を主導し、3人で太田さんから金を奪う段取りを確認していたとみられる。
■「ラブホ代だけ」で男性をその気に
「ラブホ代さえ負担してくれれば、タダでやらせてあげるというニュアンスのメッセージを送って男性をその気にさせていた。少女が太田さんと会うのはこの日が初めてだったが、Bと少女は他にも何人もの男性から金を脅し取っていた」(捜査事情通)
犯行を主導し、大学生を逃げ場がなくなるまで追い詰めたのはB。それなのに当時13歳というだけで「児童相談所送り」となり、14歳の少女と15歳の少年Aは刑事責任が問われる。どうにも腑に落ちない。

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