「町職員、関係者に謝罪する。(ハラスメントについて)無知であったことを恥じ入るばかりだ」――。25日に辞意を表明した愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)は、記者会見を開き、決断に至るまでの経緯を説明した。
この問題が表面化してから、井俣町長は第三者委員会の調査結果を待って進退について判断すると表明。第三者委は22日、長期間にわたって井俣町長のパワハラ、セクハラ、マタニティーハラスメントがあったとする報告書を町に提出した。
提出を受けた後、町議や支援者らから意見を聞いたという井俣町長は「直すところは直して頑張れ」という声もあったが、「町政を沈静化、職員がしっかり仕事をできる環境を作るためには職を辞すことが必要」と判断に至った経緯を説明した。
一方、報告書では「バカ」「飛ばすぞ」の発言や行動などをハラスメント行為と認定。認定された行為について、「すべてに対して納得しているわけではない」としたほか、「強い指導イコールハラスメントではない」と、第三者委の調査に全面的には納得していない様子を示した。
井俣町長は5月2日付の辞職願を24日夕に議長に提出。町議会は26日に同意する見通しで、議長は25日、町選挙管理委員会に辞職の申し出を通知した。公職選挙法では、通知した日から50日以内に出直し町長選を行うと規定している。