去年、大阪市生野区でタクシーを暴走させ7人を死傷させた罪に問われている元運転手が、初公判で起訴内容を認めました。
起訴状などによりますと、元タクシー運転手の斉藤敏夫被告(76)は去年3月、大阪市生野区の路上で赤信号を無視して交差点に進入し、横断歩道を渡っていた60代と70代の女性2人をはねて死亡させたほか、自転車や原付バイク、乗用車に衝突するなどして5人に重軽傷を負わせた過失運転致死傷の罪に問われています。
15日、大阪地裁で開かれた初公判で斉藤被告は、「言い訳しない。自分が100%悪い」と起訴内容を認めたものの、弁護側は「被告は当時、認知症を患っていて過失を問うことはできない」と主張しました。
検察は、精神鑑定をした医師が斉藤被告を「中程度の認知症」と診断し、事故への影響は否定できないものの、当時も通常の営業成績を収めていたことなどから、完全に認知症によるものとは考えづらいと指摘していることを明かしました。