乗員は従来の半数以下
海上自衛隊が新造する「FFM」と呼ばれるタイプの護衛艦「やはぎ」(基準排水量3900トン)が京都府舞鶴市の舞鶴基地に配備された。レーダーに捕捉されにくいステルス性を重視し、円柱形のアンテナが空を突く独特の外観が特徴。2022年に横須賀基地(神奈川県)へ初配備されてから5隻目のFFMで、近く6隻目も舞鶴基地へ配備される見通し。
やはぎが所属する第14護衛隊は、横須賀に司令部を置く護衛艦隊の直轄部隊。日本海だけでなく、東シナ海や太平洋でも外国艦艇の警戒監視や情報収集にあたると推測される。
一方で、乗員は従来艦の半数に満たない約90人。運用システムの統合により省人化されたほか、機雷を除去する掃海艦艇の機能も持つ。人員不足が慢性化する中、増大し続ける任務を遂行するため、将来の海自の姿を変える工夫がこの艦に凝縮されている。
25日に入港行事があり、伊藤秀人・舞鶴地方総監が「多様な機能をコンパクトな形状に収め、大幅な省人化を図った最新鋭艦が日本海の海自唯一の港に配備されたことは、極めて重要な意味を持つ」と述べた。
やはぎの田村真禎艦長(46)は京大卒で、舞鶴所属艦の勤務は初めて。「艦長としてやるべきことに変わりはない。明るく楽しく、強く、そして舞鶴の皆様に愛される艦にしたい」と語った。