捜査で訪れた民家で金品を盗んだなどとして窃盗や詐欺などの罪に問われた京都府警捜査2課の元警部補、林謙司被告(57)=懲戒免職=の判決公判が28日、京都地裁で開かれ、増田啓祐裁判長は懲役3年(求刑懲役4年)を言い渡した。
増田裁判長は判決理由で「警察官の職務遂行に対する信頼を利用した悪質なもので、強い非難に値する」などと指弾。遊興費や借金返済のためという動機も「酌量の余地はない」とした。
判決によると、被告は令和元~5年、特殊詐欺の防犯指導名目で訪れた高齢女性宅で現金約300万円を盗んだほか、捜査協力者への謝礼金名目で捜査費5万円をだまし取るなどした。
府警の捜査では、被告が同様の手口で盗んだ疑いのある現金が総額約1600万円に及ぶことが判明。ただ被害者がすでに亡くなるなどし、裏付けが取れないケースもあった。
判決の言い渡し後、増田裁判長は「警察官が守るべき一般市民に対して犯罪を行ったことの重さを改めてよく考えてもらいたい」と説諭した。