多くの警察、マスコミが厳戒態勢で会場を囲み、緊張した空気のなか行なわれた六代目山口組の餅つき。昨年12月28日のこの餅つきには司忍組長、直参組織の組長と数名の組員しか参加していないため、これまで全容が掴めていなかったが、六代目山口組が刊行する機関紙『山口組新報』最新号において、当日のレポートと写真が掲載されていることがわかった。
かつて六代目山口組はハロウィンの時期になると総本部の敷地内に近隣住民を招き、子供にお菓子をあげるなどの催しを行なっていた。警察の特定抗争指定により総本部の使用が禁止されたことやコロナ禍もあり、2018年を最後にこうした催しは確認されていない。組織運営に必要な会議なども大々的に行なわなくなったこともあり、警察やメディアが六代目山口組の組織活動を確認できる機会は著しく減少している。
普段、六代目山口組の行事では正装必須だが、餅つきは私服での参加が許可されている。ナンバー2の高山清司若頭のベルルッティの高級ダウンをはじめ、執行部、幹部陣の私服はルイ・ヴィトン、グッチ、フェンディ、モンクレール、シュプリームなど超有名ハイブランドの服だらけだった。
警察とメディアは会場となった瀬戸一家本部の中に立ち入ることはできず、たまに拍手や餅つきの音が聞こえるだけで、催しの詳細については掴めていなかった。
司組長の姿を目に焼き付ける組員
機関紙『山口組新報』には“編集部”によるレポートと、4枚の写真が掲載されている。ナンバー4である〈森尾卯太男本部長の号令により一斉に各ブロックが「よいしょ」と大きな掛け声の中、餅搗きを始めます〉〈来場組員の数も150人近くなり熱気と活気に溢れた会場〉だったという。(〈〉内は山口組新報より)
司組長が到着したときには空気が一変。〈本家の親分(編集部注:司組長とみられる)が御見に成られた時は一瞬静まり返り、会場に入られると皆が「ごくろうさまです」と練習したかの様に声を合わせて挨拶しました〉と記されている。
その後、司組長と森尾本部長、津田力若頭補佐により鏡開きが行なわれる。写真をみると、樽酒は開催地である愛知県の蔵元のものだとわかった。
「司組長、高山若頭の出身母体である弘道会は愛知県が本拠地で、この蔵元のお酒は名古屋では知る人ぞ知る銘酒。司組長も知っていた可能性は高く、親分を喜ばせるために必死に入手したのだろう。この写真一枚だけでも、餅つきへのこだわりが窺える」(実話誌記者)