(札幌市教育委員会 廣田豊課長)「今回ネット上、Xに上がったことについては大変遺憾に思っています。それを見た子どもたちや保護者の方が大変苦痛に思われていることを察しますと、大変苦しい思いです」
2024年6月6日午後、生徒の個人情報流出問題について札幌市教育委員会が陳謝しました。
ことの発端は2024年4月。
札幌市北区のあいの里東中学校の教員が、中学1年の生徒らの家庭状況や性格などが書かれた資料を体育館のステージに置き忘れ、紛失しました。
8日後に資料は回収されましたがー
札幌市教育委員会によりますと、一部の生徒が内容をスマートフォンで撮影していたというのです。
市教委は4月24日会見を開き、こう説明していました。
(札幌市教育委員会の担当者)「資料について十数ページのものなので、そのほとんどを写したということでとらえていただければと思いますが、削除はしっかりしてくれたということで、生徒も重く受け止めてくれていると聞いています」
保護者を通じて生徒に画像を削除させたと説明していましたが、5日に旧ツイッターのXで資料の内容が一部流出。
市教委は警察を通じて5日、X社に削除依頼を出し、削除されたということです。
(青柳記者)「Xが削除されたことによって、それが保存されていなければほかに出回っている画像はない?」
(札幌市教育委員会 廣田豊課長)「そう願いたいところでございます」
しかしー
関係者によると、X上で削除された文書とは別に、生徒の氏名や性別が記された文書も出回り、一部が売り買いされている可能性があることが分かりました。
加えて別の問題もー
(阿部記者)「SNSで2000万回以上閲覧された画像には、生徒への中傷ともとれる内容が書かれていました」
生徒の個人名とともに、家族構成や性格について中傷ともとれるような内容も記されていたのです。
(保護者)「心を痛めている人がいるのであれば非常に心配してはいます。あった事実を正確に伝えてほしいなと思っています」
今回の問題について、教育の専門家はー
(札幌学院大学 川原茂雄教授)「小学校の先生から情報を集めることは一般的にされていること。こういうことは教師同士のコミュニケーションのなかである程度情報共有がされるが、教師の評価が文字で記録されていたことと、生徒の目に触れるような状況に置かれてしまったのが決定的に大きな問題だと思う」
教育現場の信頼を損ねる流出問題。
市教委は保護者への説明会などは予定していないとしています。