温泉の露天風呂は当面休止に クマに襲われ旅館の女将が重傷「木の芽やドングリなどが少なくなって…」ツキノワグマか

11日夜、岐阜県下呂市で、畑作業をしていた80代の女性が後ろからクマに襲われ大けがをしました。
(近所の人)「怖いですね。近所の人が襲われたなんて」「やはり注意しないといけない」
山あいの集落の住民を不安に陥れているクマ。
11日午後7時半ごろ、岐阜県下呂市小坂町の温泉旅館の裏の畑で、80代の女将が作業をしていたところ、背後から突然1頭のクマに襲われました。クマは子グマだったということで、女将は顔や首などを引っかかれて大けがをしましたが、命に別状はないということです。
(下呂市猟友会小坂支部 奥村憲二さん)「ツキノワグマですね。人を襲ってくるような『怖い』というイメージの動物ではない」
地元の猟友会で15年活動を続けている奥村さんは、「このあたりでクマが人に危害を加えたのは初めてだ」と話します。
(下呂市猟友会小坂支部 奥村憲二さん)「早朝と夕方に散歩するときは特に注意。クマが動きだす時間なので。鈴を鳴らしながら歩くとか、ラジオをかけて歩くとか」
「クマが好きな木の芽やドングリなどが減少」相次ぐ目撃情報
猟友会では、警察とともに現場周辺のパトロールを実施。捕獲用の檻も設置しましたが、クマはまだ見つかっていません。
こちらの旅館では露天風呂の利用を当面、休止するということです。
(地元住民)「山へ入ればシカもイノシシも何でもいるが(クマが)こんな人里まで来るとは驚き」
下呂市ではことし4月以降、クマの目撃情報がすでに10件も寄せられています。一体なぜ、クマは人里に降りてくるのでしょうか?
(下呂市総務課 青木幹典危機管理課長)「(山に)クマの好きな木の芽やドングリなどが少なくなったことで、人里まで下りてきて、畑に美味しいものがあることをクマは認識していて、人が(野菜などを)取っているのが邪魔だからどかそうとして襲ったのでは」
エサとなる若い木の芽の不足を背景に、全国で相次いでいるクマの出没。下呂市は、クマを見つけても近づいたり目を合わせたりしないよう注意を呼びかけています。

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