給食調理業者、異物混入防ぐ注意事項守らず 横浜市の中学校22校で麦ご飯提供中止

今月10日に横浜市の中学校給食の調理過程で脱酸素剤の所在が分からなくなり、22校で麦ご飯が提供されなかった問題で、調理委託先の業者が、注意事項をまとめた市教育委員会の標準作業書を順守していなかったことが13日、市教委への取材で分かった。市教委では「マニュアル(標準作業書)の徹底がされていない部分があった。指導を徹底していきたい」としている。
同市では昨年10月に、業者が給食用のジャガイモをゆでていた鍋の中からたばこの吸い殻が見つかる事態が起きた。これを受け、市教委では、業務委託先の業者に対する注意事項をまとめた標準作業書を見直し、食材は袋から直接鍋には入れず、別の容器などで異物が混入していないか確認することなどを求めるようにした。
だが、市教委が同市中区などの22校の給食を委託した業者は今月10日、麦ご飯に使う「押し麦」を袋から直接鍋に入れて炊飯。脱酸素剤1個の所在が分からなくなり、市教委は麦ご飯に脱酸素剤が混入した可能性もあるとして提供を見合わせた。22校のなかには独自に白米を手配した学校もあったが、大半は主食抜きの給食となったという。
市教委では今年度からは調理委託費に衛生管理強化費を加えて支給するなどの対応もしているという。だが、またしても、生徒に正常な給食を提供できない状況が生じ、再発防止策が十分に機能していない実情が浮き彫りになった。
山中竹春市長は13日の定例会見で「再発防止を含め、事業者への指導を徹底するよう(市教委に)求めた」と話した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする