鹿児島県警前生安部長と本部長 双方の主張 記者解説

本田被告の起訴をうけ、野川本部長が事件について説明しました。ここからは記者とお伝えします。
(キャスター)21日の県警の会見ではどのようなことが語られたのでしょうか
(記者)会見は1時間半ほど行われ、野川本部長は冒頭、本田被告の情報漏えい事件について「県民に多大な不安を与えたことをお詫びする」と県民に謝罪しました。
(キャスター)今回の事件は情報漏えいではなく「内部告発」との声もありますが、その点はどうだったのでしょうか。
(記者)本田被告の弁護人は「不祥事を明らかにしようとした組織の不正を告発する内部告発=公益通報で、守秘義務違反罪にはあたらない」と主張しています。
野川本部長は21日の会見で公益通報ではなく、情報漏えいと判断した理由として・文書に「本部長が隠蔽した」との文言がなかったこと・前の刑事部長の名誉を害する虚偽の文書を郵送したこと・公開を望まないストーカー被害女性の個人情報を漏らしたことをあげました。
(キャスター)県警の「隠蔽」疑惑についてはどうだったのでしょうか?
(記者)本田被告は霧島警察署の警察官によるストーカー事案については「県民に説明すべきだったが明らかにされなかった」と主張していますが、野川本部長は「被害女性が事件化を望まず、警察官の処分についても基準にしたがって公表しなかった」と主張しました。
(キャスター)枕崎署の署員による盗撮事件についてはどうだったのでしょうか?
(記者)この事件について本田被告は「自分が捜査指揮簿に印鑑を押し本部長に指揮伺いをした際、『泳がせよう』などと隠蔽しようとした」と主張しています。
一方、野川本部長は21日「枕崎の事件で、本田被告が捜査指揮簿を持ってきた事実は一切ない」など本田被告の主張を改めて否定しました。また、本田被告は「枕崎署員は3月に自分が送った文書がきっかけで逮捕されることになった」と主張しています。
しかし、本部長は12月に報告を受けた時点で捜査を指揮したとしたうえで、その進め方については「自分の指示次第ではもっとはやく検挙できた可能性もあった」と反省の弁を述べました。
(キャスター)県警内では捜査書類の廃棄を促しているととれる文書が配布されていたんですよね?
(記者)県警では去年10月、捜査員向けに配布された「刑事企画課だより」に、「再審請求などにおいて、送致していなかった=検察庁に送っていなかった書類などが露呈する事案が発生している」とした上で、「都合の悪い書類だったと疑われかねないため、不要な書類は適宜廃棄する必要がある」「再審や国賠請求などにおいて、組織的にプラスになることはない」など、廃棄を促していると受け取れる記載があったといいます。
この件について本部長は「不適切な内容が発出されたこと文書の管理について多くの方に不信感を抱かせた」として謝罪しました。
(キャスター)今後はどうなっていくのでしょうか?
(記者)どのような経緯があったかは今後裁判で明らかになると思われますが、警察庁は来週月曜から特別監察をはじめ県警に監察官を派遣し、不祥事を検証する方針です。

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