新検事総長の畝本直美氏が就任会見 女性初「性別にかかわらず役割全う」

検察トップの検事総長に9日、畝本直美氏(62)が就任し、「男性であっても女性であっても検事総長に期待される役割を精いっぱい努める」と会見で抱負を語った。女性検事総長は史上初。
会見で適切な検察権の行使について問われた畝本氏は「検察の理念に立ち返り、公正誠実であることが大切」と指摘。犯罪の摘発だけではなく、「被害者支援、再犯防止、社会復帰支援の視点を入れた検察活動を行っていきたい」とした。
中央大卒で昭和63年に任官。東京地検を振り出しに、法務省保護局長や最高検公判部長、広島高検検事長、東京高検検事長を歴任した。
検事総長は通例、法務省の官房長、事務次官などのポストを経て就任するが、畝本氏はいずれにも就いていない。
同年代の辻裕教元仙台高検検事長はそうしたポストを歴任していたが、東京高検検事長の定年延長問題への対処を巡る混乱を受け、冷静な判断に定評のある畝本氏に白羽の矢が立った形だ。
昨年1月、東京高検検事長に就任。殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審開始を認めた東京高裁決定に対しては、最高裁への特別抗告を断念する判断を下した。
「どうして人間は罪を犯すのか」との疑問を抱き、大学時代から刑事法研究に熱中していた畝本氏。総長として、研究の総決算にあたる。(桑波田仰太)

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