連日の猛暑でやけどが増えている。日差しで表面が高温になった公園の遊具に、子供たちが誤って触れてしまうという事例だ。医師によると、今月初めから患者が訪れており、これは例年より早いという。負傷程度から、表面温度は60~70度に達していた可能性があり、注意を呼びかけている。
大人も負傷
東京八丁堀皮膚科・形成外科(東京都中央区)には、先週末から8日までに、公園遊具への接触によるやけどで6人が受診。うち5人が6歳以下の未就学児で、鉄棒のほか、すべり台付きの複合遊具などに触れて負傷した。
残り1人は子を持つ成人女性で、「確認のために触ったら、思った以上の熱さだった」などと説明したという。
6人の負傷程度はいずれも、3段階のうち最も軽いレベルだったものの、院長の平山真奈医師によると、「(遊具の温度は)60~70度くらいには達していた可能性がある」とみる。
自治体側、SNSで注意喚起
国内は連日、各地で35度以上の猛暑日となり、7日は静岡市で今年全国初の40度を記録。熱中症によるとみられる死者も出るなど、災害級の暑さが続いている。
自治体側も注意喚起をしており、遊具への対応については、静岡県掛川市の「22世紀の丘公園」が6日、X(旧ツイッター)のアカウントを通じ、「遊具が大変熱くなっています。お子様が火傷(やけど)等しないように十分注意してください」と投稿した。
平山医師の医院では例年、8月初旬ごろに10人程度の同種受診があるが、この時期の確認は「早いなという印象。急に暑くなったので、いつもの調子で遊具に触れてしまったのではないか」と類推する。
予防策では、子供に長袖のラッシュガードや日焼け防止のインナーなどを着用させたり、保護者が凍らせたタオルを持参して遊具に事前にかけたりすることが有効。もし、やけどをしてしまった場合は、流水での対応が望ましいという。
遊具に限らず、自転車の子供用の座席についても、シート部分が黒色だと思わぬ高温になっていることもあるといい、注意が必要としている。