劇作家の天野天街さん死去 64歳 劇団「少年王者舘」を主宰

劇団「少年王者舘」を主宰する劇作家・演出家の天野天街(あまの・てんがい、<本名・英則=ひでのり>)さんが7日、肺がんのため亡くなった。64歳。葬儀は9日、親族や演劇関係者ら約100人で営んだ。後日、お別れの会を行う予定。喪主は妻優子(ゆうこ)さん。
愛知県一宮市出身。1982年に少年王者舘を旗揚げし、名古屋市を拠点に全国で演劇活動を行った。97年に名古屋市芸術奨励賞を受賞。二人芝居「くだんの件」が2000年の岸田國士戯曲賞の候補になったほか、映画製作やファッションショーの演出、ポスター製作など幅広いジャンルで才能を発揮した。
94年に初監督した短編映画「トワイライツ」はドイツ・オーバーハウゼン国際短編映画祭とメルボルン国際映画祭でグランプリに輝いた。
天野さん作・演出の第40回公演「それいゆ」が11~14日、名古屋市中区の七ツ寺共同スタジオで上演され、全国に巡演する予定。
葬儀には、日本演出家協会理事長の流山児(りゅうざんじ)祥さんやシンガーソングライター・あがた森魚(もりお)さんらが参列した。40年来の親交のあった流山児さんは「アジアの演劇人に衝撃を与えた世界に誇る演出家だと思う。寺山修司作『田園に死す』の舞台化で独自の世界を演出した。テキストが残っているので若い人たちに見てほしい」と悼んだ。【山田泰生】

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