『なにわの海の時空館』契約進まず大阪市に損害…事業予定者は取材に「資金調達が難航していた。7月初旬にも契約したい」

解決したかに見えた大阪市の“負の遺産”、実はいまも問題が続いています。 2000年、大阪・南港に176億円をかけオープンした「なにわの海の時空館」。海運都市・大阪の歴史を学ぶ博物館で江戸時代の「菱垣廻船」を復元した木造船が目玉でした。しかし入場者数は低迷。毎年、数億円の赤字を出し続け… (大阪市 橋下徹市長 ※2012年当時)「(時空館の)撤去も含めて考えてください」 橋下徹市長時代の2013年に廃止が決まりました。閉館後(2013年)も活用先が見つからず、10年で計7000万円ほどの維持費がかかるなど“負の遺産”と揶揄されてきましたが、去年11月になってようやく、大阪の観光コンサルタント会社が再開発の事業予定者に決定。菱垣廻船を活用した体験型の博物館を開業するとしていました。 (大阪市 横山英幸市長 ※去年11月)「決まった以上は本当にすばらしいスポットに、新しい拠点にしていただきたい。期待しかありません」 ところが市によりますと、当初は去年12月までに契約する見込みでしたが、今も契約のめどが立っていないといいます。施設管理のため、この半年間で電気代など少なくとも数百万円の損害が出ていて市は事業予定者に請求する方針です。 事業予定者(観光コンサルタント会社)は6月下旬、MBSの取材に対して「資金調達が難航していた」「7月初旬にも契約したい」と話していました。 こうした状況に横山市長は… (大阪市 横山英幸市長 7月11日)「一筋縄でいかないところもあろうかと思いますが、事業予定者のアイデア・取り組みを聞きながら、課題解決ができるのか、しっかり協議しながら引き続き契約が締結できるように協議を進めていきたいと思います」 長年、大阪市民が負担してきた“負の遺産”。生まれ変わらせることができるのか注目されます。

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