交流サイト(SNS)を通じ投資名目で現金をだまし取る詐欺グループが大阪府警に一斉摘発された事件で、逮捕者は19~45歳の計90人と異例の規模となった。摘発されたグループは2つあり、大阪市内の4つのビルを拠点に、SNSで詐欺のメッセージを送る「打ち子」らが活動していたとみられる。
2つのグループは、女性の名前でSNSのダイレクトメッセージを送り、「投資で簡単に利益を得られる」とアピール。ぜいたくな暮らしぶりの写真をSNSにアップし、投資を持ちかけていた。
府警によると、愛知県内の20代の女性会社員は2月ごろ、「えみ」と名乗るアカウントが自身のSNSをフォローしているのに気づいた。えみの投稿はブランドバッグや「SNS映え」するおしゃれな料理の写真で埋め尽くされ、優雅な暮らしぶりがうかがえた。
バイナリーオプションで利益を出しているとも投稿しており、女性は「私も投資で稼ぐことができるかも」と考え、連絡を取るように。《未経験でも利益を出せる》《生徒30人弱を見てきたが、100万円超えが7人》。えみからはこんなメッセージが送られ、女性は「勝率80%の分析ツール」など偽の情報商材を購入し、90万円をだまし取られたという。
グループはマニュアルを準備し、他にも同様の手口で被害者らを勧誘。府警は150人の被害者を把握しているが、今後さらに増える見込みだという。