小惑星リュウグウに「大量の水の存在」示す証拠発見、はやぶさ2採取の試料分析から

日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウで採取した砂や石を分析したところ、これまで推測されていた大量の水の存在を示す証拠が見つかったと海洋研究開発機構などのチームが発表した。論文が科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
リュウグウは、太陽系初期に生まれた母天体に別の天体が衝突し、飛散した岩石が集まって形成されたとされる。46億年前に誕生した太陽系の状態が保存されていると期待されており、これまでの分析では水やアミノ酸など生命のもととなる有機物が検出されている。
チームが試料を分析した結果、水に溶けやすい性質をもつ計84種類の有機物などを新たに特定。水と化学反応すると壊れやすい「マロン酸」を確認したが、有機物を含む他の 隕石 よりも含有量が極めて少なかった。マロン酸が少ないということは、かつて大量の水があり、化学反応で消失した可能性があるといい、高野 淑識 ・同機構上席研究員は「長らく水が存在したという仮説の証拠を示せた」と話す。
小林憲正・横浜国立大名誉教授(宇宙生物学)の話「小惑星が、様々な有機物をつくる化学反応の場であったことを示す成果だ。生命が誕生するまでの過程を明かす研究が期待される」

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