高速道路での逆走が相次ぐ中、国土交通省は事故を減らす新システムの導入を決めた。監視カメラで逆走車を検知し、運転手本人や周辺の車両にカーナビなどで警告する。2024年度中に技術開発を担う事業者を公募し、実験を経て逆走が多い地点での早期実用化を目指す。29年までに死傷事故ゼロを達成するのが目標だ。
国交省によると、監視カメラは保安用で、故障車や落下物など路面状況を把握するのに使われている。設置数は全国で1万5千台を超え、路線の大半をカバーしているという。逆走車の検知は、AIの画像処理技術などを活用すれば可能と判断した。
運転手本人には、カーナビや、代わりに使うことが多いスマホの地図アプリを通じて「逆走しています」と音声で警告する仕組みを想定している。正しい向きで走行している周辺の車両にも、同様に「逆走車がいる恐れがあります」と知らせ、出合い頭の事故を防ぎたい考えだ。
事業者の公募は高速道路会社が行う。実験では効果や課題を洗い出し、逆走が繰り返し起きている地点に優先的に導入する。時期は未定。