自民総裁選本番モード 世論調査で石破氏、進次郎氏、高市氏が〝大激戦〟 識者「国家観を示しているのは石破氏と高市氏、河野氏」

自民党総裁選(9月12日告示、同27日投開票)の前哨戦が盛り上がってきた。小林鷹之前経済安保相(49)、石破茂元幹事長(67)に続き、河野太郎デジタル相(61)が26日午後、立候補を表明する。小泉進次郎元環境相(43)も週内に出馬表明する方向で調整している。「支持者争奪戦」が激しさを増すなか、報道各社の世論調査で「次期総裁にふさわしい人物」を聞いたところ、国民的人気のある石破氏と小泉氏に続き、「岩盤保守層」の熱烈な支持を得る高市早苗経済安保相(63)が上位に食い込んできた。自民党は、岸田文雄政権で失墜した「政治への信頼」を取り戻すことができるのか。

「電話や会合による議員の『引きはがし』『囲い込み』は激化している。永田町での選挙戦はすでに本番モードだ。ここからは、世論の『風向き』も気になる」
自民党ベテラン議員はこう語った。総裁選は10人以上が出馬意欲を示す前代未聞の展開になっている。
いち早く名乗りを上げた小林氏に続き、石破氏は24日、5度目となる立候補を表明した。さらに、河野氏は26日午後に出馬会見を行う。河野氏は外相や防衛相を歴任した実績に加え、重点的に取り組む政策を説明する見通し。
総裁選の水面下では推薦人20人をめぐり、「○○潰し」と言われるような、露骨な争奪戦が展開されている。
こうしたなか、朝日新聞と毎日新聞、読売新聞が26日朝刊に、世論調査の結果を掲載した=別表。「次の総裁に誰がふさわしいか」「誰が選ばれてほしいか」を聞いたところ、3紙とも石破氏がトップで、小泉氏が同率トップか2位、高市氏が3位に食い込んでいた。
また、朝日調査が「次の首相に求めるもの」を聞いたところ、「実行力」(49%)、「安定感」(24%)、「政策理念」(12%)と続き、自民党がこだわった「刷新感」は11%にとどまった。
高市氏躍進 講演会は大盛況
ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「岸田政権下で深刻な政治不信が加速した。自民党は『世代交代』『刷新感』をアピールしているが、国民は本質的な『国家観』『政策論』を求めている。自民党では『永田町の論理』が幅を利かせるが、単純な『刷新』『改革』アピールは通用しない」と語った。
これまでの世論調査でも、知名度の高い石破、小泉両氏は上位を占めていたが、最近、高市氏の躍進が目立つ。岸田政権を見限った「岩盤保守層」の支持を得ており、全国各地で開催している講演会は大盛況という。安倍晋三元首相は最後の総裁選で高市氏を全力支援した。

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