「苦痛を共有できず反省」 生徒いじめ死去、熊本工業高校長が謝罪

熊本県立熊本工業高(熊本市中央区)の1年生(当時16歳)が2022年10月に自殺した問題で、同校の野崎康司校長が27日、記者会見を開き「生徒が苦痛を感じた時に(校内で)情報共有されなかった点について反省している」と謝罪。「全部活動で厳しすぎる上下関係の強要、不合理なルールの見直しを徹底する」と再発防止策を示した。
野崎校長は、「原則として退部を認めない」「通行する際に上級生を追い越さない」など、生徒が所属していた部活動で存在していた独自のルールを見直したと説明。上級生から下級生に対し、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った過度な指導があったことを受け、部内の連絡手段を教員らも含めた全員で共有できるオンラインツールに切り替えたと明らかにした。学校内に、学校生活や人間関係の不安などを相談できる専門の相談員も置く。
問題を巡っては、第三者委員会の調査の結果、上級生による行き過ぎた指導をいじめと認定したうえで、「いじめが自殺に影響を与えた可能性が高い」「(適切な対応を取らなかった)学校の体制に本質的な問題があった」とする報告書が21日に示された。【山口桂子】
相談窓口
・24時間子供SOSダイヤル
いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。
0120・0・78310=年中無休、24時間。
・子どもの人権110番
「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。
0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分
・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)
悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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