東京・狛江の強盗致死 当時19歳実行役に懲役23年判決 東京地裁

「ルフィ」などと名乗る指示役による広域強盗事件のうち、東京都狛江市で高齢女性が死亡した事件に実行役として関わったとして、強盗致死罪などに問われた無職男性(21)の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は6日、懲役23年(求刑・懲役25年)の実刑判決を言い渡した。
杉山正明裁判長は「組織性、計画性の高い職業的犯行で、悪質極まりない」と述べた。一連の広域強盗で被害者が唯一死亡した狛江市の事件では、指示役3人と実行役4人が起訴されているが、判決が出たのは初めて。
判決によると、事件当時19歳だった男性は他の実行役らと共謀し、2023年1月19日午前11時半ごろ、宅配業者を装って狛江市の女性(当時90歳)の自宅に侵入。女性を結束バンドで拘束し、バールで殴って死亡させ、腕時計を奪うなどした。
公判で男性は「強盗のみ認める」として起訴内容の一部を否認。弁護側は、バールによる暴行は別の実行役によるもので、男性の行動は被害者が死亡する直接の原因になっていないなどとして、強盗罪にとどまると主張していた。
判決は、事件前に指示役と実行役らが、SNS(ネット交流サービス)のグループトークで計画を共有していた点などから、「被害者に対して強度の暴行を加えることは分かっていた」と指摘。さらに男性は、他の実行役がバールで暴行を加えるのを見ていたにもかかわらず制止していなかったとして、強盗致死罪の共謀は成立すると認定した。
杉山裁判長は量刑の理由について「高額な報酬目当てで、身勝手で利己的な動機に酌むべき事情は見当たらない」と述べた。【菅健吾】

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