東京都、全公立小中学校の給食費「完全無償化」目指し支援拡充…「財政的に厳しい」の声を受け

東京都は公立小中学校の給食費について、減額や無償化に取り組む市町村への財政支援を拡充する方針を固めた。都の支援額を増やすことで市町村の取り組みをさらに後押しし、都内全ての自治体で学校給食の完全無償化を実現させたい考えだ。
給食費の支援拡充は、7月の知事選で小池知事が公約に掲げていた。都は今月開会する都議会定例会に、関連費を盛り込んだ補正予算案を提出する。
子育て世帯の負担を軽減するため、都は今年度、区市町村が給食費の減額や無償化に取り組む場合、区市町村が負担するコストの半額を都が補助する制度を始めた。都の制度もあり、9月1日現在で全23区が完全無償化を実現し、39ある市町村でも27市町村が完全無償化に踏み切った。
一方、11市町は「第2子以降のみ」などと条件を付けた無償化や、物価高騰分を支援する形の減額を行い、残る1市は未実施のままだ。財政規模の大小が無償化するかどうかの判断に影響しているとみられ、物価高騰分のみを支援している東村山市の担当者は取材に「できれば完全無償化したいが、今の補助額では財政的に厳しい」と明かす。完全無償化に踏み切った自治体でも、財政負担が大きく他の事業へのしわ寄せを懸念する声が出ている。
こうした状況を受け、都は補助の拡充を決めた。都関係者によると、都の補助割合を現在よりも増やし、市町村が負担するコストの8分の7を都が補助する方向で調整している。追加の補助は、都が市町村に振興目的で交付している「市町村総合交付金」を増額する形で支給するという。
学校給食に関する財政支援を巡っては、都市長会が7月末の都への来年度予算要望で、現行制度の拡充を求めていた。都議会の自民党や都民ファーストの会、公明党も要望していた。物価高騰で家計負担が大きくなっていることもあり、都は早期の実施が必要だと判断した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする