兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題を巡り、6日に開かれた県議会調査特別委員会(百条委員会)では、斎藤氏による贈答品受領についても委員から質問が相次いだ。斎藤氏はカニやカキ、ワインなど多数の品を受け取ったことを認める一方、「『知事に食べてほしい』という厚意で持ってきたもの。全てをもらわないという判断をするのは難しかった」と正当性を強調した。
「姫路城のレゴブロックが欲しいと言ったのは事実か」。6日の証人尋問で、委員からの質問に斎藤氏は「欲しいというか、知事室で展示できればいいなと思ってお伝えした」と淡々と答えた。
レゴブロックとは、世界的なブロック玩具メーカー「レゴグループ」が発売した姫路城をモチーフにしたもの。斎藤氏は昨年6月、同社関係者らとともに武士装束で製品をPRし、自身の交流サイト(SNS)にも投稿していた。
告発文書には「知事のおねだり体質は県庁内でも有名」と記され、百条委が実施した職員アンケートでは、約2割が贈答品の受け取りを見聞きしたと回答。この日の尋問では委員が贈答品を一つずつ挙げ、斎藤氏が受領の有無を答えていった。
斎藤氏が受領や提供を認めたのは、播州織のネクタイ▽スポーツチームのユニホーム▽カキ▽枝豆▽ワイン▽カニ▽日本酒▽岩津ネギ▽タマネギ▽バースデーケーキ▽湯のみ-など。
斎藤氏はこれまで「県産品のPRになる」と受領の理由を説明しているが、SNSでPRしていないものもあり、証人尋問で委員は「斎藤家の食卓をにぎわしただけ」と批判。これに斎藤氏は「こういったおいしいものが県内にあるんだと知ることも、大事な県知事としての仕事だ」と反論した。
知事就任直後、秘書課に届く贈答品について「どうなんだ」と職員に尋ねたとも説明。職員から「前知事の頃からたくさんいただいている。届けた方のご厚意で、社交儀礼の範囲内だから食べていいですよ」と説明を受けたと主張した。
別の委員は、前知事は贈答品を部下に分け、自身では持ち帰らなかったとする職員アンケートの回答を紹介。1人で持ち帰ることが多いとされる斎藤氏をただした。斎藤氏は、「なぜ(秘書課など)特定の課の職員のみがいただけるのか」という不公平感があるためと理由を述べた。
一方、斎藤氏は告発文書で受け取ったと指摘されたコーヒーメーカーについては返却を指示したとしている。「なぜコーヒーメーカーだけは返却するのか」との問いには、こう答えた。「消費するようなものは社交儀礼の範囲で対応させていただくが、家電製品は少し違うかなというのが私の感覚ですね」