<独自>横浜で保守用車衝突により6人負傷、過積載が原因か JR東、昨年10月以降5件

横浜市のJR東海道貨物線で8月、保守用車同士の衝突事故があり、作業員6人が負傷していたことが25日、関係者への取材で分かった。JR東日本管内では昨年10月以降、保守用車が絡む事故がほかに4件発生していたことも判明した。事態を重く見たJR東は再発防止の徹底を関係部署に指示していたが、この直後に横浜の事故が起きた。
関係者によると、事故は8月25日午前1時半ごろ発生。横浜羽沢-大船間のトンネル内で、線路と道路の両方を走れる保守用車が進行方向に停車中の別の車両に追突。荷台に乗っていた34~62歳の作業員6人が負傷した。通信ケーブルの敷設工事中だった。2台は自力走行が可能だったため午前2時半ごろ、線路外へ退出し、営業運行への影響はなかった。
産経新聞が入手した内部資料によると、2台の車両は時速20~30キロで約100メートル離れて走行。追突した車両はバック走行中で、荷台にいた誘導員が停車位置の約20メートル手前でブレーキを踏むよう運転手に指示したが、数秒後に追突した。
事故後の内部調査で、追突した車両の積載量は最大量750キロを大幅に上回る約1・4トンだったことが判明。追突時は時速10キロ以下だったとみられ、工事責任者は「積載量を意識していなかった」と説明したという。
JR東管内では昨年10月以降、このほかに武蔵野線や常磐線などで保守用車が絡む事故が在来線で4件発生。JR東は今年8月、保守用車の走行ルートの伝達や支障物の確認などの徹底を指示していた。保守用車の場合、鉄道事故規則に基づく国への報告義務はない。JR東は、取材に対し「当社で発生した5件は輸送障害に至っていないが、重く受け止めている」とコメントした。

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