富士山は11月に入っても初冠雪なし 寒気が入る三連休明けはチャンスも

今年は、静岡・山梨県境にそびえる富士山の初冠雪が遅れています。11月に入った今朝も、山麓から見える富士山に雪はありません。
これまでの最晩記録は2016年の10月26日だったため、1894年の統計開始以降の130年間で最も遅い記録を更新中です。
これまでの最晩記録を更新中
今季はまだ富士山で初冠雪が観測されていません。
富士山の昨年の初冠雪は10月5日、初冠雪の平年日は10月2日、これまでの統計で最も遅かったのは2016年の10月26日だったため、今年はこの最も遅い記録を更新することが確定しました。
今季は先月北海道の利尻山で初冠雪が観測されたほか、先週の10月20日(日)~21日(月)に北海道~東北南部の山々で初冠雪の観測がありました。
富士山の山頂では、9月23日に今季初めて氷点下の気温になり、10月上旬からは氷点下になる日が増えてきました。
しかし、今秋は冬型の気圧配置の頻度が低く、雪が積もるほどのまとまった降水と気温の低下のタイミングが合わずに、なかなか冠雪とならないようです。
前線の影響でまとまった雨が降った10月29日も、富士山頂の最高気温は2.7℃で初冠雪は観測されませんでした。
2016年、実は9月に雪化粧していた
富士山における初冠雪は、その年の最高気温を観測した日以降に、甲府地方気象台から冠雪が確認できたときに発表されます。冠雪の確認は「山の全部または一部が、雪または白色に見える固形降水(雹など)で覆われている状態を下から初めて望観できたとき」を指します。
富士山の麓や静岡県側から雪化粧が見えたとしても、山梨県甲府市にある甲府地方気象台から富士山の冠雪の様子が見えないときには初冠雪は発表されません。以前は河口湖測候所も同様に観測、発表をしていましたが、2003年9月に河口湖測候所の有人化業務が終了した以降は甲府地方気象台に一元化されています。
これまでの最も遅い初冠雪が記録された2016年も、実は9月25日の朝に静岡県側や山梨県の富士吉田などからは雪化粧をした富士山が見られ、ウェザーニュースアプリにもたくさん写真が寄せられていました。統計として記録されないのはしかたがありませんが、麓からは早くに冬の装いが見られていたことになります。なお、独自に「初雪化粧」を観測している山梨県富士吉田市役所からも、9月25日に初雪化粧が宣言されていました。
一方、今年は現時点でウェザーニュースアプリの利用者からの目撃情報も、富士吉田市からの初雪化粧宣言もなく、正真正銘の最も遅い記録となりそうです。
三連休明けに初冠雪の可能性も
今日11月1日(金)夕方から明日2日(土)にかけては、前線の影響を受け東日本各地で天気が崩れる予想です。
富士山周辺でもまとまった降水が予想されていますが、上空は台風21号由来の暖気に覆われるため、富士山頂で雪が積もるのは難しそうです。
その後、三連休明けの5日(火)から6日(水)には上空約3000mで-3℃以下の寒気が流れ込んできます。
冬型の気圧配置になりますが、静岡県周辺は北東風と西風がぶつかり雲が発生しやすくなる見込みです。そのため富士山でも雪の降る可能性があり、このタイミングで初冠雪となることも考えられます。
すでに富士山ではいつ雪が降ってもおかしくない時期となっています。間もなく雪を被った美しい姿を見ることができそうです。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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