三笠宮妃百合子さまがご逝去…101歳

三笠宮妃百合子(みかさのみやひ・ゆりこ)さまが、15日午前6時32分、老衰のため、入院先の聖路加国際病院(東京都中央区)で亡くなられた。101歳だった。昭和天皇の末弟で2016年10月に逝去した三笠宮崇仁親王の妃で、明治以降の皇室で最高齢だった。
今年3月3日、脳梗塞と誤嚥性肺炎で同病院に入院。療養を続けられていたが、今月7日の検査で心臓や腎臓など全身の機能低下が確認された。今週に入ってからは声かけにうなずいたり、目を開けたりする時間が少なくなり、15日早朝に血圧が低下して、息を引き取られたという。
百合子さまは、1923年6月4日生まれで、父は子爵の高木正得氏。母の邦子さんは子爵入江家の出身で、昭和天皇の侍従長を務めた入江相政氏の姉にあたる。
41年10月に三笠宮さまと結婚、寛仁(2012年逝去)、桂宮宜仁(14年逝去)、高円宮憲仁(02年逝去)の3親王と、日本赤十字社元社長の近衛忠煇氏の夫人甯子さん、茶道裏千家家元の千宗室氏の夫人容子さんの3男2女をもうけられた。
48年には、恩賜財団母子愛育会総裁に就任。母子保健や乳児死亡予防運動の先頭に立たれた。日赤名誉副総裁や民族衣裳文化普及協会、いけばなインターナショナルの名誉総裁も務められた。
古代オリエント学者の三笠宮さまの現地調査などにも同行し、トルコやイラン、エジプトなどを訪問。89年には朝鮮・李王朝の皇太子だった李垠氏(1970年死去)に旧皇族梨本宮家から嫁いだ方子さんの葬儀に参列するために韓国を訪れるなど、国際親善にも力を注がれた。
体調を巡っては、99年5月に不整脈と狭心症のため、ペースメーカーの埋め込み手術、2007年7月には大腸がんの摘出手術を受けられた。
3親王に先立たれ、16年には三笠宮さまが100歳で逝去したが、宮邸を車椅子で散策するなど穏やかな日々を送られた。
三笠宮さまの伝記の出版(22年12月)にあたっては、計11回のインタビューに応じ、貴重な証言で編集に協力された。
百合子さまの逝去により、皇室の方々は16人になった。

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