日米韓、日中で首脳会談 ペルー訪問中の石破首相「連携を緊密に」

APEC首脳会議に出席するためペルーを訪問中の石破首相は米バイデン大統領と初めて対面で会談しました。現地から日本テレビ政治部・官邸キャップの平本記者の中継です。
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日米首脳会談は非公開で10分間。続けて、韓国の尹錫悦大統領を交えての日米韓の首脳会談が冒頭が公開される形で予定より10分長い40分間、行われました。3か国会談が重視された形と言えます。
石破首相「本日立ち上げが発表される日米韓調整事務局を活用しつつ、 北朝鮮の対応はもちろんの事様々な分野で連携を緊密にしたいと考えております」
米バイデン大統領「この会談に私が参加するのは、 これが最後になるだろう。私はこの枠組みに貢献できた事を誇りに思う」
会談では3か国の連携を調整する事務局を新たに設置することで合意しました。また、北朝鮮の核・ミサイル開発やウクライナ情勢を巡って北朝鮮兵士のロシア派遣に対して深刻な懸念を共有した上で安全保障面で連携する方針を確認しました。
――今回、なぜ?日本、韓国、アメリカの3か国首脳会談が重視されたのでしょうか?
これについてある外務省関係者は「トランプ政権を意識した動き」と分析しています。この日米韓の枠組は中国などを意識してバイデン政権が力を入れてこれまで取り組んできたものでした。実は、12月にアメリカで予定されていましたが急遽、前倒して南米ペルーで行われる事になりました。
ある外務省関係者は「1対1の交渉を好むトランプ政権になればこの枠組は機能しなくなるかもしれない」と指摘しています。ある政府関係者は「バイデン政権のうちに誰がトップになろうとも機能する枠組み作りの制度化を急いだのだろう」と指摘しています。
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石破首相は初となる習近平国家主席との会談も行いました。会談の冒頭、両首脳は握手を交わしましたが笑顔、会話はありませんでした。
石破首相
「両国が戦略的互恵関係の包括的な推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性を共有いたします。国際社会にとっても重要な意義があるものです」
会談冒頭、習主席は「意思疎通と協力を強化し、両国関係を正しい軌道に乗せていく事を推進したい」と述べました。これに対して石破総理も両国の間には「課題や懸案が存在する」とする一方「あらゆるレベルで意思疎通を強化し協力を連携を増やしたい」と両首脳が関係改善に向けた意欲を示しました。
会談で両首脳はまた「戦略的互恵関係」を推進することで一致したとみられます。また、石破総理は日本産水産物について早い時期の輸入再開や日本人男児の刺殺事件を受け中国の日本人の安全確保なども求めたとみられます。
――石破首相と習近平国家主席との会談では中国への強硬路線を強めるトランプ政権の話題などは出たのでしょうか?
複数の外務省関係者が「トランプ氏の事は話題にならないだろう」とは、話しています。ただ、今回の首脳会談をめぐってはトランプ氏の影がちらついていたと、言えます。実は、外務省関係者は会談を調整する中で最終段階になって「中国側の前向きさを感じた」と言います。その背景には「『焦り』があるのでは」と分析しています。
というのもトランプ政権になれば米中対立の激化が予想される中外務省関係者は「中国は日本を味方につけておきたいのだろう」と指摘しています。さらに、中国の国内経済の悪化が続く中日本企業の投資を呼び込みたい思いも重なり中国側の前向きな姿勢に繋がったのでは、という見方が出ています。
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――石破首相とトランプ次期大統領との会談は実現しそうでしょうか?
日本側は来週20日にフロリダにあるトランプ氏の自宅での会談を打診しているんですがこの時点になっても「回答はない」というんです。石破首相も記者団の取材に「具体的に決まっているものはない」と述べました。
ペルーに到着後、複数の外務省関係者から「この時点でないと厳しいかもしれない」という声が多く聞かれます。
トランプ氏はこれまでに外国首脳ではアルゼンチンのトランプとも言われるミレイ大統領と会談しましたがそれ以外はまだ会談はしていません。
ある外務省関係者は「トランプ政権が今は閣僚人事など国内の足場固めを急いでいる時期で外国首脳と会う段階ではないのだろう」と分析しています。他の政府関係者も「他の国も会談を要請しているが成立していないようだ。日本だけが断られているわけではない」と話しています。会談に向けたギリギリの調整は続くことになりそうです。
(11月16日放送『ウェークアップ!』より)

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