家庭ユーモア漫画「丸出だめ夫」や1コマ漫画で知られる漫画家の森田拳次(もりた・けんじ)さんが23日、老衰で死去した。85歳。葬儀は家族で行う。喪主は長男、一成氏。
東京生まれ。生後3か月で旧満州(現中国東北部)に渡り、7歳で帰国。1964年に「週刊少年マガジン」で連載したユーモア生活漫画「丸出だめ夫」は、感情豊かなロボットを家族の一員として描いて大人気を博し、66年にテレビドラマ化された。その後、70年に渡米し、雑誌への持ち込み修業を積んだ。帰国後、創作集団「ジャパンチ」などを通じ、1コマ漫画の普及に尽力した。
ちばてつやさんら旧満州引き揚げ経験を持つ漫画家らと「私の八月十五日の会」を結成し、戦争体験を伝える漫画家の活動でも中心的な役割を果たした。
64年、「丸出だめ夫」で講談社児童まんが賞。読売国際漫画大賞の選考委員を務めた。