作家の曽野綾子さん死去 93歳 「遠来の客たち」「天上の青」

人間の欲望や社会問題への鋭い洞察を込めた小説を、カトリック信仰を背景にした知的な文体で書いた作家、曽野綾子(その・あやこ、本名・三浦知寿子=みうら・ちずこ)さんが2月28日、老衰のため死去した。93歳。葬儀は近親者のみで営んだ。お別れの会の開催は未定。
1931年、東京生まれ。小学生時代に小説家を志した。51年、文芸誌「新思潮」(第15次)に参加。53年、同誌同人で当時は日本大芸術学部助教授だった作家の三浦朱門さんと結婚した。
日本の敗戦直後に進駐軍が接収したホテルでの日本人従業員と米軍人らの日常を淡々と描いた「遠来の客たち」を54年発表。芥川賞候補となって文壇にデビューした。主な作品に「神の汚れた手」「時の止まった赤ん坊」「天上の青」「哀歌」などがある。

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